ナノワイヤー分子磁石の核磁気共鳴法による研究


[Mn2(saltmen)2Ni(pao)2(L)2](A)2 はMn3+-Ni2+-Mn3+ のトリマーがユニットとなったトータルスピンS=3 の強磁性体鎖でナノワイヤー単一次元鎖磁石と呼ばれている.この物質は鎖方向に磁化容易軸を持ち,低温で鎖方向にS=3 が磁化配列した一次元鎖磁石が準安定状態となる.[1]
この特異な磁性体のダイナミクスや緩和を調べるためNMR測定行い研究を進めている.
緩和率1/T1の周波数依存および温度依存性より,他の単分子磁石の結果との比較を行い,強磁性鎖であることによる特徴を明らかにする.

[1] H.Miyasaka et.al.; Inorg. Chem. Vol.42 (2003) 8203.