フレーム

研究内容

・磁性ナノ粒子の圧力下における構造と磁気特性

磁性ナノ粒子γ-Fe2O3の電子顕微鏡写真
I.Gilbert et al. Polyhedron 22 (2003) 2457.

・ナノ粒子
ナノ粒子とは直径がナノメートル(10-9 m)スケールの微粒子を指す。
粒径がナノメートルレベルまで小さくなると、単位体積に対する表面
の割合がきわめて大きくなり、表面効果や量子サイズ効果が発現する。
そのため、マクロなサイズの系が示す物性とは大きく異なる物性を示すことが期待される。
各圧力下におけるFC(磁場中冷却)とZFC(零磁場冷却)時の
磁化Mの差MFC-ZFCの温度依存性(γ-Fe2O3 @ D = 6.5 nm)
Y. Komorida et al. J. Mag. Mag. Mater. 310 (2007) e800.

左のグラフは粒径が6.5 nmのγ-Fe2O3の各圧力下における
FC(磁場中冷却)とZFC(零磁場冷却)時の磁化Mの差MFC-ZFC
温度依存性を示したものである。このMFC-ZFCが有限な値を取る領域が
超常磁性を示す領域である。粒径が6.5 nmのγ-Fe2O3の超常磁性は
初期加圧 (P < 4 kbar) で一度抑圧されるものの、高圧力下では初期状態よりも
広い温度域で安定化される。



超常磁性とは・・・
ナノサイズの磁性体にみられる磁性のひとつ。磁気エネルギーは磁性体の
体積に比例するため、ナノ粒子の磁気エネルギーは非常に小さい。
そのため周囲の熱エネルギーによって、磁気モーメントのランダムな反転が起こり、
ナノ粒子は安定した磁気秩序状態を失う。この状態を超常磁性という。

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