圧力下における新しい高温超伝導の探索
現在超伝導転移点を上昇させようと多くの研究者によって新物質の作成、または加圧により転移点の上昇をさせようと多くの研究が行われている。また、銅酸化物高温超伝導物質はCu-O2次元平面を持っており、そのCuの2次元平面は反強磁性秩序をしている。この2次元平面にホールまたは電子をドープすることにより超伝導相を発現させることができる。現在までに報告されている銅酸化物高温超伝導体の転移点の温度のものはHg-Ba-Ca-Cu-O系の135Kである。これが発見されてほぼ10年転移温度が上昇していない。
銅酸化物高温超伝導体はCu-O平面であるのに対し、Oの周期律表の下の原子であるSを含むCu-Sの2次元平面を持つ物質系を加圧することにより、超伝導が発現する可能性があるという理論的推測がある。そこで、我々はSの周期律表の下の原子であるSeを含んだCu-Se2次元平面を有する物質(La1-xSrxCuOSe)の加圧を行うことにより、現在までに報告されている転移点を越えるものを探索することが研究目的である。超伝導探索において、磁気測定および電気抵抗測定を行うことにより進めている。